「うぅ…ぐ…」
美紀…さ…ん…、視界がぼやけ…て…
「母さん、その子死ぬ」
と、その瞬間
美紀さんは「あらっ!」と言って抱き締める力を一気に緩め、意識朦朧とした私から手をはなした。
た…助かった
ホッと胸を撫で下ろし息を整える。
「ほんっとにごめんね、杏ちゃんがあまりにも可愛くて…あたし…つい」
「いえ…大丈夫です」
なんて言うけど、実際は死にかけた。
「あ、そうそう…夏輝を紹介しなくちゃ」
夏輝……?
美紀さんの隣に視線をうつすと
「わあっ!!!」
そこにいたのは、美紀さんによく似た男の子で…
「……美少年」
思わずそんな言葉が出た。
美紀さんに抱き締められてて、夏輝くんがいたことに気づかなかった…
