玉兎は頭を下げた。



「では、勝負に付き合っていただいて、ありがとうございます。お嬢さんも、小日向くんも」

「いえ…」

「僕、ピザドッグセットをお願いします。珈琲で」

「かしこまりました」



玉兎は頭を下げ、奥に下がった。

歩美は席を発った。



「…ごちそうさまです」



小さく、告げる。

誠は頭を下げた。



「ありがとうございます」



歩美はなにか、むずがゆい気持になって、早足に店を出た。





風が冷たかった。

歩美の身体は暖かかった。