君が見上げたあの空は

誠と玉兎は、嬉々としてキッチンに入った。

青年は問いかけた。



「貴方は、紅茶と珈琲だったら、どちらの方が、お好みですか?」

「…どちらかといえば、紅茶、ですね」

「だそうですよー」



青年がキッチンに声を向けると、二つの返事が返ってきた。



「あの、勝負って、なんなんですか?」



青年は微笑んだ。



「どっちが、より美味しいものを淹れられるか、という勝負ですよ」



今回は紅茶ですね、と、青年は付け足した。