「のっぺさん、朝から元気だね」



歩美は額に青筋を立てた。



「あたしをこんなに叫ばしてんのは、空知くんでしょ!」

「おお。のっぺさんは、俺の為に、限り有る時間と酸素とカロリーを消費してくれてるの?」

「為に、じゃなくて、せいで、だっ!」



歩美は蒼意の服の袖を掴み、歩きだした。

蒼意は少し引き摺られた後、自分で立ち上がり、歩きだした。



「のっぺさん」

「…なによ」

「この、袖を掴んで歩くってシチュエーションさ、個人的に、結構、萌えなんだけど」

「言ってろ、アホ!」



歩美は袖を掴んでいた手を襟元に移し、掴んだ。