歩美は自室に入り、扉を閉め、鞄を下ろした。

知らず、溜め息をついていた。

歩美は思う。





…見下してんじゃねぇ。





拳を握り、自分の頬を殴る。

小さく溜め息をついて、ベッドに身を預ける。

薄暗い天井をしばらく見つめ、瞼を閉じる。





歩美は想いを馳せた。

空知くんは、なにを見ているんだろう?

なにか、探してるんだろうか。

今度、訊いてみようか。

…また、はぐらかされるかもな。





…まあ、いいや…。