清美はリビングに入ると、ソファにバッグを放り、腰に片手をつき、振り返った。

その眼差しは鋭く、気を抜けば、たちまち、そこを突かれるだろうと、歩美は常々思っている。



「私は、ここに住むが、私に干渉することは許さん」



清美の口調は、軍人の様な威圧感を振り撒く。



「家政婦を雇い、家庭教師を雇う」



清美は口を歪めた。



「それと、お前に、護衛を付ける」