【稜真?今から家行っていい?】




[いいよ]





あたしはゆっくり目を閉じる。






そして、念じる。






『稜真の所へ連れてって!!!』


 


    フッ






(ちょうど部屋に入ってきたお母さんが呆れたり呆れなかったり。)












「お!桃彩いらっしゃい♪」






『稜真!会いたかった!!』






そして、稜真が優しく抱きしめてくれる。








体全体から、稜真の温度が伝わってくる。








『稜真って温かいね』






「そう?ありがと」







ゆっくり、あたしに口付ける。





『んっ…』







その時、テレビでは天気予報が流れていた。








〔今日の天気は1日中大雨。台風が上陸する模様なので、外出はなるべく控えた方がよいでしょう。〕





音声は雨の音に掻き消され、あたしたちには聞こえない。








どうせ、いつだって稜真に会う事はカンタンだから。あたしにとってはね。