主役になることは簡単な事じゃなかった。 一度決めたものは変えない。先生はそう言った。 だけど先生は、 「時には主役より良い役もあるんだ。」 と、違う役をまかされた。 あの時、私は必死だった。先生にもう一度やらせて下さいと頭を下げても先生は認めなかった。 だから私は皆の前で演技した。 それはすごく緊張した。 だけど、気持ち良かった。 その役になる事で違う自分になれる。 それが嬉しかった。 終わったとたん拍手があがって私はもう、木の役でも良い。そう思ったぐらいだ。