「俺のおばあちゃんがさ、そうだったからさ。わかるんだ。」
「そう……なの?」
「うん。それにさ、今から行く学園なんてそんな人達ばっかだしさ。でも超能力者の女性は初めて聞いたかも……」
目を鋭くピカーンと光らせる。女性って、私のこと?……珍しいもあんのかな……そもそも性別なんて気にした事ないし……。
考え込む私に彼は、そろそろ着くよ。と、窓のほうを指差した。
「うっわぁ~~~!!おっきぃ~何ここ、お城??」
列車を降りて、駅から約12分。
かなりの山奥だ。街や住宅街からほど遠く、夏は涼しく過ごせそうだが今時期、寒さが強い。
「お城……見たいなものだよ。まぁ、寮と、学園がひっついてるからでかさは異常なんだけどね。」
彼、真(まこと)は、ここの学園の生徒らしい。大きな背中が実に頼もしい。
カッコいいし、それに列車の中でメアドも交換した。
正直初めてなのでまことが全てやってくれたが……。
 初の友達として、学園内を案内してくれるらしい。
「販売機とか、食堂は基本一階にあるんだよね。……ほら、あそこ。」
ブーンと静かに音を立てて開く自動ドアにおぉーと、思いながらも指さされた方向に顔を向ける。
うっ、わぁー。ものすごく広い。私の通っていた学校の食堂よりもすごいね此処。
 天井には何百万単位のシャンデリア、食堂の入口には、スーツを着た執事さんたち。かなりの高級感を思わせる。
……、ここ本当にセイクオ学園だよ……ね?
入口を陣取るそこは、大きな和を示す、銅像。あっ、これ、世界でたった二つの幻のやつじゃん……
「おっ、まさとじぁんって、……そこのチビは誰?」
「っ、チビじゃないです!!」
「うおっ!!噂の転入生かよ。」
その噂。いいことで広がっているのか、悪いことでひろがっているのか……。
目の前に現れたのは、大笠むつみね(おおかさむつみね)どうやらこの状況で言えば、真の友達らしい。
金髪がメインのその格好は、都会のチャラチャラした男性を思い浮かべる。
「って、女か?……めっずらしーな。」
ひょいと、私の体を持ち上げる。しかも、軽々と。
「ちょっ、やめっ……」
「めっちゃ軽いな。中身あんのか?」
中身ってなんだよ!ってか、それなりに体重あるし!もう。失礼なヒトね。
プリプリ怒っていると。こいつ、かっわいいー。とか、からかうし。
「おい。そこ何してる!!」
めっちゃ太い声が聞こえたとおもったら、先生がいた。
めっちゃタイミングいい!助かった先生。
長い髪が邪魔だなと、むつみねがつぶやく。
くっ、これだからガキは、これがファッションなんだよと、毒吐きながら睨む。
真は、先生に事情を話していた、こんなに、私のためにやってくれる人始めて見たかも…、先生がチラチラ見るから。一応ここに、お世話になるし。と、深く頭を下げといた。