それでも僕らは


「お茶なくなったね…。
持ってくる。」

2つのコップを持って先輩は部屋を出ていった。


そんなとき、携帯のバイブ音がなった。

私のじゃないから先輩の。

ベッドの上に無造作に置かれている携帯電話。


その携帯電話に表示されている名前を見て、私は少しだけ、先輩のことを疑い出したんだ。


山波先輩の言うことは絶対。

あの時から決めていたこと。

今まで守ってきたこと。

私、初めて先輩を疑った。

そして、多分この疑いは、いつか確信へと変わっていくんだ。