それでも僕らは



「もう、暗くなっちゃったね。

家まで送るよ。」


楽しかったはずの先輩とのデート。

後半は、「帰ろう」と言う言葉を早く言いたくて仕方なかった。

切り出してくれたのは先輩だったけど。


暗闇に、ぼんやりと街灯の灯りが照らす住宅街。

それが少し切なくて。


「先輩、」

「ん?」

「2つお願いしていいですか?」

これは、先輩を傷つけないための条件です。

そして、私が傷つかないための条件です。