日本に戻り、組織の現状を調べていった。
オレがいた頃はまだ規律が厳しかったはずだが、今は腐りきっていた。
暗殺を請け負うのではなく、ケチな犯罪組織に成り下がっていた。
当時の仲間達は殆ど殺され、残った奴らは組織に怯えていた。
生き残りはアキ、ノブ、カノウの3人。
オレは皆を探し出し、組織壊滅のためチームを組んだ。
同じ目的を持った同志。
絆は固い。
情報を集め作戦を立てるのも、4人でやれば最強だと思った。
彼らに美夜の事を話すと皆喜んでくれた。
皆のため、オレのため、美夜のため。
チームを組んだ半年後、行動に移した。
事前の情報操作で組織内部はガタガタだった。
それでも相手は強い。
最初にノブが死に、カノウも殺られた。
オレも左腕を撃たれて腕が動かない。
アキに背中を預け、片腕で銃を撃ちまくった。
後はボスだけ、という時にアキも撃たれた。
ボスは頭脳だけの男。
簡単に殺せた。
『アキ!!』
アキに駆け寄る。
『仁さん、俺もうダメです……これをマキに渡し……』
恋人への最後のプレゼントをオレに託し、アキは逝った。
組織は壊滅できたが、残ったのはオレだけになっていた。
“今すぐ美夜の元に飛んで行きたい”
だがアキの最後の願いを叶えるため、オレはマキを探し続けた。
マキの居場所を知らされなかったため、見つけ出したのは2年後。
マキは大阪の歓楽街でホステスをしていた。
アキが死んだことを伝え、プレゼントを渡す。
彼女は泣きながら何度も礼を言った。
やっと美夜の所へ行ける。
日本へ来て、3年が経っていた。
子供は、幸也はもう3歳になる頃だろう。
イタリアへ着いてすぐに玩具屋に寄り、ラジコンを購入。
そして同じ通りの花屋に寄った。
美夜に何を持って行くか迷い、花にしたのだ。
抱える程のバラを花束にしてもらって金を払う。
動く方の腕で花束を抱え上げた時、後ろから懐かしい声がした。
『 仁!! 』
ゆっくり振り返ると、半泣きで愛する女が立っていた。
『ただいま、美夜!』
美夜は駆け寄り、抱きついてきた。
愛しい美夜。
――もう絶対に離さない。

