「俺ら、新撰組…いや、甲州鎮撫隊を抜ける。」 言葉が風とともにフワリと駆け抜ける。 たった一言のその言葉が俺を絶望の淵へと追いやる。 「…どうしてだ。」 俺はただ、そう言うことしかできなくて。 泣き言も、引き止める言葉でさえ口には出せなくて。 「前からさ、少し感じてたんだよ。捉え方…いや、感じ方?…これも違うな… 何てゆうか、鎮撫隊と、護りたいもの、護り方が俺らの考えとは違うことを、ずっと前から感じてたんだ。」 左之助がそう言った。