それから数日後のことだった。 「今日もやっと終わるな。」 何日も歩き続けて、やっとあと二、三日で甲州へたどり着けるだろうというところまできた。 隊士達の疲れを休めるために毎日きっちりと宿をとることにしている。 ただ一人、宿の近くの河原に座り込む。 目の前はチロチロと流れる小さい河があって、その音が心地よい。 「甲州鎮撫隊…か。」 やはりまだこの名前がしっくりとこなくて違和感でしかない。 頬をなでる優しい風に少し春を感じることができる。