どうしてだろうか。 すごく心から楽しい、と感じる。 「斬る?俺がお前に負ける分けないだろうがよ!」 そう言って色黒の男は僕の突きを上手くかわす。 ああ、なんて楽しいんだろう。 僕はまだこんなにも戦えるじゃないか。 そして力一杯に男の剣をはたき飛ばした。 久々に聴く金属がかすれ、鳥肌の立つような音が心地よかった。 ペタリと座り込んだ丸腰の男。 ただ無意識にその男に向かって刀を振り上げている自分がいた。