ああ、どうしていつもこうなってしまうのだろうか。 もっと強くありたかった。 どうしてこんなにも手の届きそうなところに君はいるのに、 この手が、この声が、この思いが、 届くことはないのだろうか。 「ふぅ…」 このザワザワとした騒がしい町の中で大きく息を吸った。 ふと、日焼けした身体つきの男が目に留まった。 どうして、僕はこんな人に生まれてこれなかったのだろうか。 もっと身体を鍛えて、 もっと剣の練習だってして、 そしてもっと強くなって、 みんなと一緒に、護りたかった。