ふと昔にもこんなことがあったな、と思い出した。 「私、お金も出さないし殺されなんかもしない」 あの頃とは、ちがう。 私だって刀を持ってる。 私だって戦える。 自分の中の正義、これが新撰組の掲げる誠なのだろうと気づく。 自分の刀を鞘ごと抜いて相手の刀を払いのけた。 私の反応を見て、本気だと思ったのか、相手の顔つきも少し変わる。 不敵でいやらしい笑顔を浮かべるそいつになんだか嫌な予感がした。