お土産にお団子でも買って行くことにした。 この賑やかさの中にいる自分がすごくちっぽけに思えてくる。 現代にいた頃はこんな賑やかな場所が大嫌いだったはずなのに、今はむしろ楽しい気持ちがでてくる。 京都も賑やかな町だったんだとは思うんだけど、全然違う。 甘味処から出て来ると、すぐに大きく声をかけられた。 「お兄さん、簪どうだい?」 お兄さん…ん? 「え、私!?」 そういえば、私って男装してるんだった。 いつもよく忘れ気味になってしまうのだ。