壊れそうなほど、お前を抱きしめたいと思った。 だけどー… 「行って来い」 それは叶わない。 「今夜中に馬を用意しておく。 朝になるとまたここは戦場になる。その前に大阪へ出発するんだ」 俺はなるべく桜のほうを見ないように静かに手を離して、机の地図へと視線を戻した。 俺はこいつを泣かせない自信はある。 こいつを護り通してみせる自信がある。 誰よりも幸せにしてやる自信だってある。