沖田桜…
なんだか慣れなくてムズムズする。
変な感覚。
まるで沖田さんと結婚したみたいだな、なんて考えては寂しい気持ちになる。
函館の病院を退院して早三日。
私は自分の家に帰ってきていた。
家も前みたいにマンションじゃなくて、おばあちゃんと一緒の一軒家。
あとから聞かされた話によると、私は函館の海によくわからない洋服をきて浮かんでいたらしい。
それを通りがかった一人の青年が病院へ運んで来てくれたということだった。
青年…
もしかして、って思ったけど土方さんは青年と言うには年超えている気がする。
未だに土方さんがどうなったのか、
どうして幕末に行ったのか、
なにもわからない。
おミツさんの櫛はなくなってしまって、
すごくおばあちゃんが嘆き悲しんでいた。
そして私は、
幕末以前での生活に戻った。

