「ひ…じ方さん…」
ふと目を開けるとそこには見慣れない天井があった。
白い白い人工的なものの天井。
身体中あっちこっちが痛い。
「いくらなんでも夏だからって崖の上から海になんて飛び込むもんじゃないよ」
そう言って私の顔を覗き込んだ白衣の人。
「私どうしてここに…」
土方さんは?
あの戦争はどうなったの?
私はどうしてここにいるの?
何もかもわからないことだらけだった。
「とりあえず、ご家族に連絡してくるわ」
どうして…
「あの!私と一緒に男の人…いませんでしたか?」
でも、私が助かったなら土方さんも……
「運ばれたのはあなた一人よ」

