海に飛び込めば…まだ助かる可能性があるかもしれない。 周辺の岩に当たらずに海の中へ落ちることができれば、助かるかもしれない。 なんてぶっ飛んだ考えをしてるんだろうって自分でも思う。 だけど。 「少しでも可能性があるなら…」 私は土方さんをギュッと抱きしめて海へと飛び込んだ。 「お前…な…に…して…」 土方さんがそう言った言葉を最後に、私たちは冬の海へと飲み込まれた。 冷たい 冷たい海へ。