「お前…に…
生きてほしいからだ」
ボロボロと目から大粒の涙が溢れる。
そんなこと言われたの初めてだった。
今まで誰かに必要とされたことなんてなかった。
誰かに生きてほしいと願われたことなんてなかった。
胸の奥の方がギュウッと締め付けられたように痛い。
「い…いか桜。
生きろ。辛くても、悲しくても、
一人きりになっても、
孤独に押しつぶされそうになっても、
……泣いてもいいから、生きろ」
こんなにも生きろと言われることが嬉しいなんて、初めて知った。
「土方さん…私…」
スッと土方さんの手が私に伸びて、そのまま抱き寄せられる。
「私………生きたい」
新撰組のためにも。
生きたくても生きられなかった人たちのためにも。

