「俺は…会津に残って戦います。」




斎藤は頭を下げながらそう言った。



「頭上げろ、斎藤。」



俺はそう言ったあとにフッと笑った。


なんとなく、わかっていた。

こいつが何かで悩んでいたことは。
きっとこのことだったんだろう。


「薄々気づいてた。」

正直なところ、会津は陥落する。

こいつは律儀だからな…
会津を見捨てることができないんだろう。



「俺は最後まで新撰組で戦うと決めていたのに……。」


「気にすんじゃねえ…新撰組に縛られるな。」



そうだ。

新撰組は誰かの思いを縛るためにあるんじゃない。






「お前はお前の誠を信じて守れ。」