「桜、俺はもう決めたんだ。」 俺が、悩むわけにはいかない。 俺が揺らぐわけにはいかない。 「桜、もう俺を惑わせないでくれ。」 いつ揺らぐかなんてわからない。 俺は弱いから。 本当は悲しそうにじっと俺を見つめるその瞳でさえ俺は戸惑う。 「さあ、仙台にいくぞ。」 もう俺たちにはその道しか残されていない。 兵士たちを呼び、身支度準備を催促する。 そんなさなか俺を呼ぶ声が聞こえた。 「副長。」