「土方さん、見失わないでくださいよ?」
「は?お前、何言ってんだ?」
相変わらずこいつは意味がわからん。
「そうだよ!土方さん!ほんと、それは頼むよ!」
手をパンって顔の前で合わせて、必死に頼み込む平助。
その後ろにはうなづく新八と左之助がいる。
「僕たちが戦った理由。」
そして、ハッと気づく。
俺が、今、どうして戦っているのか。
それは。
「護るため、だ。」
そうつぶやくと、近藤さんが薄く笑う。
何故かすごく泣きたくなった。
目の奥が熱くて。
胸の奥が締め付けられるほど痛くて。
ったく、残された方の身にもなってみやがれ。
簡単に見失うな、とか言いやがって。
ほんと勝手な奴らだ。
でも、こんなところで逃げ出せるわけないだろ…………?

