「あっもしもし。昨日電話しました、塚平と申しますけど────」


しばらくすると電話を切ったお母さんがこっちにきて言った。

「あのね伊織ちゃん、やっぱり信じてもらえないみたい。そんなことありえないってイタズラ電話だって切られちゃった…」


しんみりして言うお母さんに私はこう答える。

「大丈夫だよ。ママは伊織の事信じてくれてるよね?」

こくりと頷いてお母さんは私を抱き寄せてこう言ってくれた。


「ママはずっと何があっても伊織ちゃんを信じるよ。だってママの子が絶対嘘なんかつかないって分かったから。」


私はそのお母さんの言葉にぶわりと涙が湧き上がりお母さんの胸にギュッと抱きついた。


「ママ…だぁいすき。」


そのあと私はお母さんに抱きつきながらいっぱいいっぱい声が枯れるまで泣いた。

それからは夢を見るたび同じ日々を繰り返していた。





そして年月だけが経っていった─────