「実はね、うちらエストバトランスなんだ。」


暫く沈黙が続く。そして一斉に疑問の言葉が返ってきた。


「「「「は?」」」」


2人は顔を見合わせため息をついた。


「急に言われてもそうなるのはあたりまえだよ。それにエスバトランスって言ってもわかんないだろうしね。だって空想だと思われている生き物だから。」


優希が話している中、私達は思考がまとまらずきょろきょろしながら言葉を探していた。


「説明するよ。エストバトランスって言うのは神と天使の間の生き物で、誰か力を持った人が生まれた年と同じ年に生まれるの。」


私達は舞花が話しているのを真剣に聞いている。

「それにその力を持った人の心がだいたい読める。詳しくではないけどな。例えば海斗だとする。海斗の力を感じて生まれたのが俺。そんでだいたい海斗の思ってることがわかる。今は言わなくてもわかるか。凄く混乱している。その様子じゃまだ信じちゃいないね。」

海斗は言われるとおりだったから頷くだけだった。


「『信じられない…舞花がエストバトランス?力のある人と同じ年に生まれる?神と天使の間って…人間じゃない?』でしょ?伊織。」


私は顔を跳ね上げた。思ってたこと全て見透かされたようだった。


「そっか、舞花さんは御上なんだ。」


一人納得するようにつぶやいた優希に首を傾げ不思議そうにしている密暉が聞いた。


「御上?」


その言葉に気づいた優希は説明を始めた。