「あたし…海斗くんが心配だった…けど、海斗くんは育ての親を…それに朝の海斗くんの元気の無さが、あたしにはツラかった。」

息を少しずつ整えながら話す。そして少しずつ涙を溜めながら俯く。


「俺こそ…悪かった。伊織さんが…その…俺の事でいろいろ傷つけてしまったと思って…ごめん。」


私の側で膝を折り頭に手を乗せる。顔を背け顔を隠す。私は首を振り否を示す。


「あのさ…俺…伊織さん…伊織さんの事好きだから…」


ピクッと反応した。


「え…?」


ゆっくりと顔を持ち上げた。するとそこに見えたのは頬を真っ赤に染めた海斗だった。


「だから…その…好き…なんだ。」


海斗の顔に同調するように私の顔も火照っていったのがわかった。