Oursecret

私は思わず海斗をぶってしまった。私はぶったてにもう片方の手を重ね胸の辺りでギュッと握りしめ俯いた。

クローンはバッと見上げ音がした方を見た。

海斗は左の頬を左手で覆い私を見た。


その勢いで私は海斗に怒鳴る。


「いい加減にしてよ!あんたは自分を育ててくれた人を殺すの?あの人だって自分の血のつながった人を捨てるわけがないでしょ!表では厳しかったかもしれないけど、裏ではちゃんと見守ってくれてそれなりの愛情を注いでくれたんじゃないの?!あたしはわかるよ。あの人の心の内。根は凄く優しい。けど悪にのまれてしまっているの。それを助けるかどうかすればいいじゃん!なんで殺そうとするの?!」


「それはわかってるよ…俺を心から思って育ててくれてたよ。」


急に寂しそうな声に変わった。

「だったら!」


「それでも!義父さんがやったことは“罪”だ…この力を貰って俺は悪を裁くと決めたんだ。悪を消しこの街を平和にするとそう願った。助けたくてもやらなきゃいけないことなんだ。」


私はその場で崩れ落ちた。逃れたくても逃れられないものがある。それを乗り越えるためにはそれを崩さなければならない…義親子の絆でさえも。