Oursecret

｢そうだなぁ。この街を救う天使…かな？｣


そう言ってクスクス笑っていた。その時、屋上のドアが勢いよく開けられ、海斗が飛び出してきた。


｢そいつは天使なんかじゃない！悪魔さ。人なんて簡単に殺せるんだ。やっとみつけた。同じクラスにいたとはな。なぜ気づかなかったんだ。伊織さんこっちへ。早く！｣


手を伸ばして促す海斗の方に走り出した。すると後ろから腕を引かれ身動きがとれなくなった。


｢伊織さん！｣


海斗は寄ってこようとした。だが私を使いクローンに動きを止められた。



｢っ離して！…っっ痛いっ！｣

するとクローンはいきなり笑い出した。

｢あっははははは…や〜だね☆わざと痛くしてんだから。あははははは…｣


私は出来る限りの抵抗をした。けどビクともしなかった。


｢なっ痛くしてるって…クローンさん？！どうしてこんなことっ｣


｢どうして？ふふふ…人間の血や肉、切り裂いた時の音。不思議な力を持ったとき初めに人間を殺した。凄くいい音がしたのさ。その素晴らしさといったら止められないよ…こんな風に、ね。｣


そう言うと、手から氷のような輝きを持った先の尖ったものが出てきた。それをスッと海斗に向ける。するとそれはヒュンと音をたて海斗の足をめがけて飛んでいった。