───────ある日私はいつものように学校に行くと、不思議な男子を見つけた。独特の雰囲気を持った子だった。


海斗に聞いてみると木更祇真という海斗と同じクラスだけど影が薄い存在らしい。でも私がみるに影が薄い存在じゃなく何か人と違うオーラが出てる…気がする。


「ねぇ、…えと、あの…」


「何?俺に話しかけるとロクな目にあわないよ?」


キッと睨んできて言った。私は目の力に圧倒され一歩退いてしまったけど聞きたいことがあって踏みとどまった。


「あのね、その…木更祇くんは…何かしてるの?」


「は?」


「だからそのなんていうか、不思議な空気を感じるというか、」


私はおどおどしながら質問を続けた。でも真は私を睨み続けたまま答える。


「何?俺のことまた影が薄いとでも言うのか?まぁ慣れっこだけど、そう思うならそう思ってくれてかまわない。ただ俺はだれともつるむ気はないけどな。」


すらすらとしゃべる真に私は口をはさめずおどおどしていた。


「違うよ。ただあたしは木更祇くんに不思議な力を感じるの。影が薄いとかそういうことじゃなくて、その…」


影が薄いじゃなく人として凄い力を持ってるんじゃないかと思っただけだった。

次の瞬間グンと腕を引っ張られた。


「?!何…?」

「ちょっときて。」


どんどん引っ張られて私は小走りでついて行く。途中海斗にもすれ違った。私は海斗と目があったけど引っ張られる力が強くて名前を呼ぶ暇なんてなかった。海斗は私の名前を叫んで不思議そうに後を追ってきた。