俺が逃げ出したから…クローンは俺を探して…っっ




そしていろんな人に迷惑かけて…



この世に悪が訪れたのは…俺が…逃げたせい…




俺は授けられた能力があった。それは人を助けられる能力。誰も…クローンさえも知らない事実。ただ一人伊織にだけ打ち明けた事実。悪を打ち払いこの世を救う。こんな形で使うとは…




霧が消え去ったことでクローンに俺が生きていることを知らせる。能力のことは知らないだろうが感づいているはずだ。そして霧で俺を探そうとしている。






見つかるわけにはいかない。捕まれば奴隷扱いだ。もうそんな苦しみは味わいたくない。クローンの為になんて。






クローンの力を知ったのはたまたまクローンの部屋を覗いたとき。俺はそこで全てを知った。人に霧を漂わせその人を操り、情報を伝える。悪だ─────