───────次の日。


「うーん、う゛ーん…ダメッこっ、殺しちゃっダメーーーーーっ!」


大きな声が部屋中に響く。また夢をみてしまった。予知夢を。私は勢いよく目を開けた。


「はぁはぁはぁ…また夢…海斗くんに知らせなきゃ。」


私はバタバタと音を立て階段を駆け下りた。そして、すぐにでも知らせたい思いで足早に出て行こうとしていた。


「行ってきま〜す。」


「伊織〜ごはんは〜?」


後ろからお母さんの声がした。


「いらなーい。」


私は海斗に知らせたい一心でドアを飛びだしていく。気持ちだけが競っていく。


(急がなきゃ。早く知らせなきゃ。)

すると後ろから聞き覚えのない声がした。

「かぁのじょ!」


「きゃっ!」

後ろから現れるなり肩を抱かれた。私は3人に囲まれ逃げ場を失った。


「そんなに急いで何してんの〜?」

(どうしよう…誰?逃げなきゃ。早く海斗くんに知らせなきゃ。)


「離してください!やっ…やだっ誰か!助けてー!」

その声に慌てた3人は私の肩に置かれた手に力を込めた。

「でっかい声出すな!」

そういってさらに口をふさがれた。

「んっんんーっ」

「やめろよお前ら!」


するとどこからか声が聞こえた。