「うん。アメリカ行くの」

あなたは、うつむいた私を見て
悲しそうに見つめながら呟く。

「なんで?アメリカ?」

怒りなのか、悲しみなのか、
頭がぐるぐるして、よく分からない。

「父さんの出張についていくんだ。」

あなたは、有名な会社の坊っちゃんで、
すごくお金持ち。
天野財閥の一人息子で、
名前は、天野涼太。

お父さんの出張についていかないと
いけないことなんて分かってる。

だけどさ。嫌だよ。
せっかく両想いって分かったのに。