あぁ、ムカツク。
どうして女って奴はこう…ムカツクんだよ。
何をそんなに求めてんだよ。
少女漫画に出てくるような男が好きなのか?
「Incomprensibile!」
吐き捨ててバットを振るった。
見てみろよ、あんなイケメンが今はぐちゃぐちゃだぜ?
中身はどいつもこいつも一緒だってのにな。
人の皮一枚剥けりゃ、こんなもんだ。
「Arrivederci…」
あの世でハーレム楽しんでろ。
血塗れのバットをその辺に捨てた。
木製特有の乾いた音が、路地裏に響く。
「なんだ、もう殺っちまったのか」
聞き慣れた、ムカツク声。
頭上から掛けられたその声を、頭の中で見知った顔に変換させて仰いだ。
「Voi siete…」
「おいおい、俺はイタリア語苦手なんだよ。つーか日本人に対しては日本語で話せよ、常識知らずだな」
「何の用だ、樫原」
目の前のアパートの二階、錆びた鉄柵から身を乗り出しているこの日本人男は、樫原亮平(かしばら りょうへい)。
自分のすぐ真下に、ミンチになった死体とその殺人犯がいるってのに、呑気に一服している。
どうして女って奴はこう…ムカツクんだよ。
何をそんなに求めてんだよ。
少女漫画に出てくるような男が好きなのか?
「Incomprensibile!」
吐き捨ててバットを振るった。
見てみろよ、あんなイケメンが今はぐちゃぐちゃだぜ?
中身はどいつもこいつも一緒だってのにな。
人の皮一枚剥けりゃ、こんなもんだ。
「Arrivederci…」
あの世でハーレム楽しんでろ。
血塗れのバットをその辺に捨てた。
木製特有の乾いた音が、路地裏に響く。
「なんだ、もう殺っちまったのか」
聞き慣れた、ムカツク声。
頭上から掛けられたその声を、頭の中で見知った顔に変換させて仰いだ。
「Voi siete…」
「おいおい、俺はイタリア語苦手なんだよ。つーか日本人に対しては日本語で話せよ、常識知らずだな」
「何の用だ、樫原」
目の前のアパートの二階、錆びた鉄柵から身を乗り出しているこの日本人男は、樫原亮平(かしばら りょうへい)。
自分のすぐ真下に、ミンチになった死体とその殺人犯がいるってのに、呑気に一服している。