私が泣き止んでからしばらくして植田は話し出した
どうやら昨日植田に借りた
パーカーのポケットに入ってたらしい

「ごめんね…」
「もう二度となくすなよ?」
「うん」

あの時は彼カノみたいなんて
調子に乗ってたけれど今はちゃんと約束してる
なくしたとき本当に悪いなって思ったから

「あ…そういえば植田の話って…」
「えっと…それは」

植田が咳払いをして話をはじめようとする
なぜかドキドキし始めた

「あ…あのな…実はお「笹山っ」
「げっ先生!どうして」
「”げっ”じゃないだろ早く戻れ!」
「は…はぃ…」
「…植田も早く寝ろよ」
「あ…はぃ」

結局修学旅行中に植田の話を
聞くことはなかったのだった