「なくしちゃったの」 「…何を?」 「…植田がくれた…ピアス…」 「…ちゃんと探した?」 首を横に振る 植田が怒りそうで怖くて不安だった 「ごめんなさい」 「ピアスはなくしてないよ」 「…え…」 植田の顔を見ると笑っていた 私の顔を見てからポケットを探り出した 「手ぇ出して」 「……」 「はいどうぞ」 私の手のひらにのせられたのは 確かに昨日植田がくれたピアスだった 「…ぁ…よかったぁ」 ピアスを握り締めてまた泣き出した