「悔しかった……。うまくいきっこない、どうせコイツに賞なんて獲れない、子供の稚拙な夢だ。どうせすぐに諦めて自分達の思い描いた通りの人生を歩んでくれる。……そんな風に思っていたから、だから安易にそんな約束をしたんだって。 元からこいつには無理だと見切りを付けられていた……。二年もの間、両親が私の可能性をこれっぽっちも信じてくれていなかった、その事実が悔しくて……」 ぽたぽたと床に涙が落ちる。 しかし、そこで堰を切って泣き出してはいけない事を、咲花は知っている。