スーパーニート★パラダイス


カチッとガスを点ける音がする。

一通りの作業を終えて、鍋が沸騰するまで手の空いた咲花は多喜也の方へ振り返る。

咲花の目には、涙が流れていた。


「文芸時代は……ゴミ箱に捨てられていたんです」


多喜也は咲花をじっと見つめる。

ただ、ただただ真剣に聞いてやらなければいけない場面だと、真っ直ぐに向き合おうとする。