「…私は授業と課題をこなす毎日の中で、一心不乱で書き続けました。賞さえ獲れば親の束縛から解放される……賞さえ獲ってしまえば自由になれる……。 けど、何度投稿しても賞には引っかからなくて落選してばかり……。そして、そのまま2年が過ぎようとしたその時……」 「……公読社シナリオ・小説大賞……審査員特別奨励賞」 多喜也が呟き咲花は頷く。