一瞬不穏な空気が漂ったが、咲花を信用して多喜也は台所から居間へと移動し、テーブルの前に腰を下ろす。 「こっちで書くことにしてくれたんだ?」 テーブルの上に肘をついて、多喜也は訪ねた。 「ええ。2階の部屋、とても素敵だったので……。あ…机使わせてもらっています」 「ああ、構わないよ」