開いたままの戸を見つめながら、青年はその場にへたり込む。 放心状態。 表情は変わらず、身体だけがやけに重い。 青年は真っ直ぐ頭上の天井を見上げて、ぼんやりと口を開ける。 「栄次……。俺はまだ………舞台を降りないぞ…」 廊下の板張りの床にしがみついて、冷たい玄関へと滑り落ちそうになるのを必死に堪えながら、青年は呟いていた。