見透かされた。

咲花はそう思って、言われた通りケータイに110をセットしようかと考えたが、あまりに悪意の感じさせない多喜也の笑顔を信用し、そのまま多喜也の背中を追う事にする。

そして薄気味悪い柳の木を超えると、車の通る本道と枝分かれになった側道に入った。

「もうすぐだ」

多喜也の声が聞こえる。