そう訪ねるものの、多喜也は足を止める気配を見せないので咲花も止まらずに歩く。 一秒遅れて、多喜也は振り返る事無く口を開いた。 「あともう少しすればわかるよ。見てからのお楽しみって奴だな」 そう言われて咲花は一瞬不穏な予感に捉われたが、それまでの多喜也との会話を思い出して悪い人ではないと信じる事にする。