そう言うと、華奈はタッタッタと足音を立てて階段を登っていく。

多喜也は見事に用意されたいかにもな“日本の朝食”を見て笑顔を浮かべる。

普段、朝は大抵食べない。

大抵寝ているか、もしくは食べずにアルバイトに出ているか。

誰かが作ってくれないと用意する事なんてなかった朝食を目の前にして、多喜也は新鮮で、そして懐かしい感覚に捉われた。