2階に上がって左の部屋で咲花が、右の部屋で華奈が寝て、そして多喜也はこれまでそうだった様に居間で就寝した。

徐々に目が覚めて記憶を呼び起こしながら重い身体を起こす。

多喜也は台所に入って驚いた。

炊飯器は湯気を立て、ガスコンロには味噌汁の入った鍋が置かれ、まな板の上には均等な幅で切られたキャベツの千切りが用意されていた。