多喜也と咲花は頭の上に“?”を浮かべる。 小学生の様な可愛い声で“中学生じゃありませんよっ”と言われても説得力に欠ける。 「わたしは物井 華奈(ものい かな)。19才です」 「何にしても、子供が夜遅くに出歩いていいものじゃないよ。ましてや迷子だなんて。全く今日は家出だの迷子だの……ってええええええええエエエエッッ!!」 多喜也はあまりの衝撃に座ったまま後方に倒れた。 「19才!?」 咲花も驚きの声を上げる。