「事情を知って雇ってくれるまともなバイト先があるとは思えない。部屋を借りるにしても保証人が居ない家出娘に部屋を貸してくれる不動産屋なんて何処を探しても見つからないぞ」

再び、咲花の目に涙が浮かぶ。

「…だけど」

多喜也は一転、笑顔を見せて続ける。