しばらくして見えてきたボロいアパート。
私の家だ。
生憎、立派なマンションを借りられるほど余裕はない。


「ここ、私んち」

「え、まじで?!
俺もここ」

「もしかして一人暮らし?」

「ああ、ここ安いし」


顔を見合わせて、同時に吹き出した。
しかも隣の部屋という偶然。



なんだか急に親近感がわき、仲よくなれる気がした。


「…じゃあまぁ、よろしくってことで」

「また、明日」



そう言って、お互い、自分の家に入った。